彼女がいるのに原付で女の子のアパートに遊びに行った事②

僕は女の子の唇に自分の唇を近づけた。その子は逃げなかった。というより、固まって動けないようだった。僕はその時のキスの感触をあまり覚えていない。自分の彼女の事を考えていた。後ろめたさと後悔と不安と好奇心が入り交じっていて、どこか冷めた感じだった。

僕は女の子の様子を探るように、背中に手を回して撫でた。座ったまま、お互いに少し腰が引けたようなぎこちない抱擁だった。

女の子は拒絶する訳でもなく、反応するわけでもなかった。どちらかと言うと緊張して固まっているのだ。

僕はその子が自分の事を好きだという気持ちを利用して、行為をエスカレートさせていった。ブラを外し、胸を撫で、シャツのボタンを外して、乳首を吸った。

ズボンを脱がして下着をずらした。

日曜日の夕暮れ、赤い日差しが差し込んでいた。

僕はその子を気持ちよくしてあげようと頑張っていじった。

でも、緊張のためか盛り上がらないまま、トーンダウンしていった。

もちろん僕はギンギンになっていたんだけれど、放出する気にもなれずにしまっておいた。

これ以上何かをやると犯罪のような気がしたのだ。この子を酷く傷つけてしまうような気がした。

例えて云うならば、道端にできたアリの行列を避けて歩くような感じだ。できれば無闇な殺生はしたくない。

僕は踏みつける直前のところで回避したのだ。

「こんな事になるなんて思ってなかった」そう言われて僕は困った。

「うん。僕も」

そうは言ったものの、来る時の僕はやる気満々だったのだ。

あの時の僕を突き動かしたのは性に対する期待と欲望。

今感じているのは虚しさ。

全然気持ちよくないし、興奮もしなかった。女の子はそんなこと望んでいなかったし、そういう関係になるにはそれなりの準備がいるということだった。

僕はこんな虚しいことをするのは二度とごめんだと思いながら、原付で帰路についた。

とはいっても、その後同じような過ちを繰り返すのであった。

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